新登場、金沢の手みやげ
百万石を領した加賀藩前田家のもと、茶の湯を基盤とするもてなしの文化が根ざし、独自の美意識を育んだ金沢。
ふるまわれた一服のお茶の芳ばしさ…
器やしつらえに込められた職人の粋…
毎日の暮らしのなかにある「金沢のあたりまえ」には、
時代を越えて受け継がれてきた手仕事の技と知恵に満ちています。
この手仕事を次の代につないでいこう。
そんな思いから、金沢の職人による新しい手みやげが誕生しました。
手みやげは、あなたの手を介して人と人をつなぎ、
技と思いを結び、時代から時代へと受け継がれます。
さぁ、金沢のこれからをつくる、新しい手みやげに出逢いに来てください。
金沢のおいしいの理由
金沢を育む水
富士山と並び、日本三名山とされる白山(はくさん)から流れる手取川(てどりがわ)の伏流水は肥沃な加賀平野を潤してきました。
まちなかには犀川(さいがわ)、浅野川の二つの川が流れ、多くの湧水も点在します。
水質は柔らかく、清らか。繊細な味つけの加賀料理、お酒やお茶に欠かせない水こそ金沢の食を育む基本の基です。
金沢のやさい、加賀野菜
加賀野菜とは、金沢の地で代々つくられてきた在来の伝統野菜のこと。
春には、たけのこ。
夏からは打木赤皮甘栗(うつぎあかがわあまぐり)かぼちゃ、つるまめ、ヘタ紫なす、金時草(きんじそう)、加賀太きゅうり、赤ずいき。
秋からはさつまいも、加賀れんこん、金沢春菊。
冬には源助(げんすけ)だいこん、せり、二塚(ふたつか)からしな、くわい、金沢一本ねぎと四季折々に合わせ、金沢の八百屋をにぎわせます。
加賀野菜は、昭和の高度成長期には一時途絶えかけていました。
「金沢の昔からの食材を守りたい」と金沢の人々が加賀野菜の生産復興に尽力し、いまでは一五品目の加賀野菜が育てられています。
金沢のいっぷく、ほうじ棒茶
金沢のお茶といえば、ほうじ棒茶。
ほうじ棒茶とは、お茶の茎の部分だけを焙煎したもの。
浅く均一に、きつね色になるまで炒って作られます。
独特の香ばしさが特長。
茶舗によって焙煎方法にこだわりと工夫があるので各家庭にひいきの茶舗があるほど、金沢ではほうじ棒茶が親しまれています。
金沢の人は年中、和菓子を食べる
実は、金沢は和生菓子消費額日本一!
茶の湯も盛んなこともありますが季節行事や慶事に合わせた和菓子を食する習慣が多いから。
まちを歩いても和菓子屋の多さに気づきます。
例えば、氷室(ひむろ)まんじゅうは加賀藩前田家が、夏に幕府へ献上する氷室の氷が無事届くよう祈願した供え物に由来する酒まんじゅうです。
七月一日は氷室まんじゅうを食べる日で、学校給食にも登場するくらい。
うっかりすると売り切れてしまうので、金沢の人は六月頃から和菓子屋に予約を入れます。
金沢のハレの味、押し寿司
四角い木の箱形に具と飯を入れ蓋で押し、一晩寝かせ味をしみ込ませるのが金沢流の押し寿司。
祭り前日は、お母さん、こども達がせっせと準備します。
押し枠に経木を敷き、具は酢で締めたサバやしょうがや桜エビ、これに紺ノリという紺色に染めたエゴノリを色づけに使うのが特徴。
押し寿司はそれぞれの家庭の懐かしい味です。
金沢の味、大野の醤油
治部煮(じぶに)をはじめとする加賀料理を支える大野醤油。
関西が薄口、関東が濃口といわれるのに対し、大野醤油は「うまくち」といわれます。
色は淡く程よい甘さがあり、食材本来の味や香り、色を引き立たせます。
大野醤油の産地・金沢市大野地区は、藩政期、白山水系の豊富な水、北前船(きたまえぶね)からの麦や大豆、醸造に適した気候や能登の塩のおかげで、銚子や野田と並ぶ醤油の五大産地の一つに数えられました。
そして今も大野は醤油の産地として栄え続けているのです。